「文化の伝承」
ユネスコの無形文化遺産に登録が決まった「和食」だが、基本は家庭料理になると思う。
最近は御節料理も家庭で作らず買って来る時代だ。
デパートや商店街ではお正月商戦と題し、これから激しいお客様の争奪戦が始まる。
自宅で作りにくい蒲鉾や魚介類の元は買い求め、各家庭の味付けをした。
昭和30年代、実家でも毎年手作りしていた。
餅は庭でついた。
のし餅や鏡餅もせっせと作った。
25日頃から身欠にしんを米の研ぎ汁に漬けて戻し、塩数の子も塩抜きを始めた。
縁起物の「八つ頭芋」を買い、人参・こんにゃく・牛蒡等と煮た。
金団・はぜの甘露煮、昆布巻き・海老の鬼ガラ焼き・鯛の尾頭付きなど、全て手作りだった。
31日は朝から煮物の匂いで溢れ、ワクワクしながら新年を待った。
父は12月に入ると「ハゼ釣り」に出かけ、釣ったハゼを軽く焼いて目刺にし、日陰に干した。
2週間くらい干した物を甘露煮にするが、骨まで柔らかくなっていた。
物流の進歩によって、何でも手に入り手作りしない品が徐々に増えていった。
それに伴い、家庭の味もお店の味に変わりつつあるようだ。
お正月は、躾の場所でもあった。
家族が揃い新年の挨拶を交わし子供にはお年玉が与えられる。
お雑煮を食べる時も、箸の持ち方など、さりげなく注意されて、いつの間にか綺麗な持ち方が出来るようになっていった。
最近の人は、子供に限らず箸の持ち方が汚い。
子供に躾けるはずの親がキレイに持てない。
教える事すら出来ない現状は、和食文化の汚点であろう。
家庭の味もなくなりつつある。母親が手作りをあまりしなくなってしまった。
和食が登録されたので、もっと日本食を料理しよう。
2013・12・6
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